映画『君たちはどう生きるか』を観てきました。
宮崎駿さんの『君たちはどう生きるか』を観て来ました。宣伝一切なしで公開された映画ですので、感想は言葉ではなく、パンフレットと映画のイメージを少しだけ箱庭のアイテムでお伝えしてみました。映画の中では様々なイメージが、ストーリーの展開を助けているように見えました。その中でも脇役のようですが、とても印象深かったアイテム二つを、パンフレットと一緒に撮りました。
インスタグラムにも載せましたが、もう少しこちらでは長いものを掲載しています。
『ゲド戦記(影との戦い)』は、ル=グウィン作、清水真砂子さんの訳で、岩波少年文庫から出版されています。聞いたことがある方も多いと思います。私はこの本と出会ったのは、大人になってからでした。子どもの時に出会っていたら、どんな読み方をしたのだろうと思いました。以前読んだ時とまた違うところに目が向くので、この本は何度か読み直 返している本でもあります。
主人公のダニーは、母親を幼い時に亡くしています。そして、歳の離れた兄たちの中で育ち、職人の父親から仕事を教わりますが、あまり向いていないようで、深い森の中をよく歩いていたと言います。母親からも父親からもこの世界に降り立つ導きを得なかったダニーは、この後どのようにして魔法使いになっていくのか、気になるところです。
彼はしばしば猛禽類といるので、ハイタカとあだ名で呼ばれていました。そして自分の真の名が知らされるまで、この名を借りとし、その後もずっと、この名を呼び名として使い続けることにしたそうです。猛禽類といることが多かったことも、何か彼の性質を表すのかもしれません。その後、ダニーは大魔法使い、沈黙のオジオンから、真の名まえを授かり、村人に気づかれないように旅に出ます。自分の物語を紡ぐことは、孤独がまつわるものなのだなぁと思ったりもします。
“影との戦い”というサブタイトルから、彼にとっての影なるものとの戦いを通して、影との関わり方を見出すのではないかと思うと、どうなるのか知りたいとも思います。
暑い夏に、涼しい部屋で長編小説に挑む・・・そして深い眠りに陥る、そしてまた小説の世界にのめり込むのを繰り返すというのは、なんとも贅沢です。
2023年8月11日